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それはおとり物件です

 宅地建物取引業法では、誇大広告などは禁止されています。誇大広告というのは、「お買い得物件」、「破格物件」などの表現を明確なデータなしに表示することです。いずれにしても、事実と異なる表示を行って仲介や斡旋を行うことはできないことになります。おとり広告は、客寄せのために存在しない物件や、すでに契約が決まった物件を広告とすることはもちろん事実に反する表示ですから、当然禁止されています。ですが、実際にないとは言えないのが現状なのです。
 こうしたおとり物件は、目当ての物件を問い合わせると、「すいません、ちょっと前に決まってしまいましたので、違う物件を紹介します」というのが常套句です。ですが、実際昨日決まったのか、おとり広告としてあえて広告を出し続けていたのか、借りる側は判断出来ません。その、判断できないというところが、おとり広告の大きな問題点です。
 実際に、ひとつの物件を複数の業者が紹介している場合には、異なる仲介業者を通して契約が決まってしまうこともありますから、こうしたタイムラグは仕方のないことです。ですから、その問い合わせの後に物件が埋まってしまったと答える不動産屋さんが全て、おとり物件を使っているとは限りません。ですが、あまりにも自分が希望する条件とは異なる物件ばかりを紹介されたり、物件名を表示していない広告が多い場合には、違う不動産屋さんも回って部屋探しをしてみたほうがいいでしょう。
 おとり物件が多い不動産屋さんは、ネットや電話での問い合わせを行うと、とにかく来店することをすすめます。こうした営業を行わない不動産屋さんは、初見のお客さんに対してもきちんとすでに埋まっている物件は断った上で、異なる物件を紹介してくれます。